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「あなたが落としたのは、」ep.1 春

こんにちは!ブドウの美味しい季節ですね。
食欲の秋、絶賛満喫中の岩谷です。
それではリレー小説、第3話 ep.1 春、早速ですが始めさせていただきます。




「っと!危ない!」

急に足を止めた拍子に、かけていたメガネがずり落ちた。
慌てて掛け直して目の前に飛び込んできた赤い物体を捉え直す。

 こども?ずきん?赤ずきん??

と思った瞬間、赤ずきんの中から見知らぬ女の子の顔が現れた。
「んふっ、びっくりした?」(にっこり)

まるで僕のことを知っているかのような顔で話しかけてきた。
 
「ヒカル、」
 えっ、、、!!

「そんなに急ぐと滑って転ぶよ。ほら、雪も積もり始めて」
「えっ、ちょ、ちょっと!キミ誰!?誰かは知らないけどなんで僕の名前知ってるの?!僕に何か用?!あっ、いや、時間がない。と、とにかく今はキミの相手をしている時間がないんだ。困るよ。いい加減、通してくれないかなっ。」

自分でも驚くほどの速さで捲し立て、歩き出そうとした途端、
 
「んふっ。まぁまぁ、落ち着きなさいって。」
僕の焦りようなんてお構いなしに、その子は持っているカゴの中をしきりにゴソゴソ漁っている。

 え、何だよ。なに探してんだよ。時間ないんだって!
 
「ちょっとキミ、ごめんね。僕、本当に急いでるんだ。
 お母さんとはぐれちゃったなら来た道を戻ればいいよ!一緒に探してあげられなくてごめんね。もう行か」
あった!!
 えーっと。(ゴホン)
 あなたが落としたのは、こちらの青のカメラかな?
 それともこちらの赤のカメラかな?」

両手に2つのカメラを乗せた迷子と思しき女の子が、急に真面目な顔で尋ねてきた。
 
「え、、、?なんて?落とした?カメラ?僕カメラなんて落としてな」
「それではこちらの、、、」

カシャッ
 
眩い閃光に目が眩んだ瞬間、


うわぁぁぁぁあぁぁああああぁぁぁああぁああっ


僕はなにかに引っ張られながら、意識が飛んだ。


グイッ

「ほら、こっちだって!ヒカル、ぼけっとしないで!」
よろめきながら、勢いよく引かれた痛みで意識が戻った。
「え、、、?どこだよここ、、、?」

てかこいつ、、、

僕の腕を勢いよく引っ張りながらずんずん歩みを進める彼女の長い髪が風に揺れる。
 
「ねえ!ちゃんと歩いてってば!」
 
あれ、、この声、、、どこかで聞いたことあるような、、、どんっ!
 
「あっ、す、すいません!」
道行く人の流れに逆らって進んで行く彼女の顔は僕からは見えない。

ちょ、ちょっと待って!一体どこに連れていくつもりなんだ?」
「は?まだ寝ぼけてるの?入学式でしょ!」
「にゅうがくしきぃ!?ははっ、冗談言うなよ!
 今何月だと思ってるんだよ。っていうか僕、急いでるんだってば!!」

ってぇえっ!?

今になって気がついた。雪が止んでいる。雪が止んでいるどころか空が明るい。
白く霞んだ雲が空を泳いでいる。ぽかぽか陽気でなんだか心地が良い。

 って和んでる場合じゃない!
 
「ねえ、ちょっとキミ!今何時?!」
「えっ?あと10分で始まるって言ってんでしょ!13時から開始!ほら早く!」

「いちじ?!?! さっきまで19時に間に合うように走ってたんだぞ?!
 それに入学式って何だよ!時間も季節もおかしくなってるって、、、」
   
 一体、なにがどうなってるんだ?!

わけのわからない状況に混乱しながら、ましてや全速力で思考回路もままならないまま、なすすべもなく僕は彼女の後ろを追いかけた。

「ふう〜!間に合った!んふっ、やっぱり私の方がはや〜い!意外と余裕だったね〜!」
くるっと向きを変え、僕に向かって両手を振る彼女と初めて向き合った。

のだが、顔がよく見えない。
「んっ?あっ!めっ、メガネ!メガネがない!あれっ」
顔に手を当ててもポケットに手を突っ込んでもしゃがみこんで辺りを手探りしてもメガネはいっこうに見つからない。
 
「あはは、ヒカル何してんの!ってわぁっ!ヒカルの頭の上!
 その桜、すっごく綺麗!満開だね!そのままそこにいて!記念に写真、撮ってあげる!」
 
「えっ?なにっ?さくら、、、っ?
 
カシャッ

眩い閃光に目が眩んだ瞬間、

うわぁぁぁぁあぁぁああああぁぁぁああぁああっ





ドテッ。

冷たいコンクリートに両膝を打ち付けられた痛みで、再び意識が戻った。

「いてて、なんだよもう!って、ああっ!
落ちてくる雪の先には見覚えのある顔が見える。

「んふっ、おかえりなさい。思い出せたかな?
 では改めまして、もう一度お尋ねします。
 あなたが落としたのは、こちらの青のカメラですか?
 それともこちらの赤のカメラですか?」

僕の答えを待つかのように女の子は首を傾げてこちらを見上げている。
 
「、、、僕は何も落としてない。落としたんじゃなくて、」
パンっ
だ〜いせいか〜い!やっぱりヒカルは正直者だね。
 それじゃあ、正直者のあなたには青のカメラと赤のカメラの両方をあげましょう。
 はい、どーぞっ!」
 
「えっ、あっ、ありがと。っじゃなくて!だ、だから僕はっ」

パァーーーーーーン、キキィッ
 
バカヤロウ!赤信号だろ!危ねえだろうがっ!!」

ハッと気づいた時、僕は横断歩道の真ん中で膝をついていた。
青いカメラと赤いカメラが道路に転がっている。
再びクラクションを鳴らされ、その二つを抱え上げ、咄嗟に走り出す。
信号は赤から青へと切り替わった。


    あれっ、、、どこ行っちゃったんだよ、、、








(第2回に続く)



はい、ここでバトンを渡します。
はてさて赤ずきんをかぶった女の子はどこへ行ってしまったのでしょうか。
ボクっ娘ならぬ僕っこヒカルくんはどうしてあんなにも急いでいるのでしょうか。
全4回、後の展開は私にもわかりません!(笑)
さや、次よろしく〜。^^
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