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「あなたが落としたのは、」ep.4 冬

石垣華です。

無事に明大祭も終了しました!
90年代をテーマにした「喫茶 時をかけるゆとり〜90年代で待ってる〜」、内装にとてもこだわり、懐かしいゲームもでき、とても好評でした!場所が校舎の4階、裏側ということもあり、なかなかそこまで来てもらうことは大変でしたが、来てくださった方々ありがとうございました!

そして宮本ゼミの皆さん、お疲れさまでした。

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さて、「あなたが落としたのは、」いよいよ最終話はじまります!





僕は気づけばただ走っているだけになっていた。
時間を気にした僕は右手に付けた腕時計を見た。

19時まであと20分・・・
次の電車に間に合わなければ遅刻だ。
今日はクリスマスイブ。
僕は自分の会社が主権した会社のイルミネーションのイベントに立ち合わなければならなくなった。
上司は「お前はよく頑張っているから、今日くらい無理に手伝わなくてもいい。」と言ってはくれていたが、今まで頼まれた仕事は断ったことがなかったし、流石にクリスマスのイベントだから人出も足りていないはず・・・。やっぱり向かうべきだ。

僕は雪道を走り続ける。寒さで息が苦しい。

焦りがこみ上げてくるとともに、走る足を止めたくなる気持ちが邪魔をしてくる。

僕はどうしたいんだ!!!

イライラする・・・。

雪で足場が悪くなっていることを忘れていた僕はイライラでつい足に力が入りすぎてしまい、また転んだ。

ドテッ!!・・・
僕は仰向けに倒れたらしい。

はぁ。

全身が痛い。

なんだかすごく疲れた気がした。僕はなんでこんなに必死になっているんだ?
ずきんを被った女の子達・・・

見せられる景色は全てヒカリとの記憶だ。わけがわからないけどどれも楽しかった思い出でまるで夢を見ているような、なんだか気持ちの良い記憶ばかりだ。

僕はそっと目を開け、目に飛び込んできた景色に思わず息をのんだ。

そこには何にも邪魔されない、真っ白な空と顔に降り注ぐたくさんのボタン雪。

「これと同じ景色、前にも見たことがあったなぁ。」

「んふふ、そうだよ〜。ヒカル、覚えてるかな?」

後ろでまたヒカリの声がして僕は振り向く。

「なんでヒカリの声が?」

「流石にもう4回目ともなれば驚かないか〜!私はヒカリの想いを運ぶ雪の妖精だよ!」

「ヒカリの想いって?それどういう…」

「ほらほら!雪が奇麗だよ〜。」

月の明かりで照らされたボタン雪の結晶一つ一つが宝石のように輝いていた。

「そうだ!僕はヒカリとこの景色を見たことがある。3年前のクリスマスだったような…」
 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ヒカリ、寒くない?」

「平気だよ。」

「ごめん、僕が遅れたせいでイルミネーションあんまり見れなかったね。」

「ううん。
 それより見てよ!イルミネーションより奇麗だよ。」

ヒカリが指を指す方向に目線を移す。

「綺麗だな・・・。」

「イルミネーションもいいけど、このタイミングで雪見れたことのほうが嬉しいよ!」

「ヒカリに一つ、約束したいことがあって・・・。」

「なに?」

「ヒカリとずっと一緒にいたくて・・・大人になってお互い会える時間が減っても、二人の思い出だけはずっとまもっ、るよ!」

声が裏返った自分が恥ずかしい・・・。顔を雪に埋めてしまいたい。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「あなたが落としたのは・・・」

一瞬にして、今日出会った3人のずきんを被った女の子達が僕の頭をよぎる。

春はお花見、夏は花火を見ににも行った。そして秋には銀杏並木、冬はイルミネーション


「僕は・・・。」
心臓が速くなるのが分かる。外の寒さが分からなくなるほど顔も熱くなる。

ヒカリ!!!!

ずきんの女の子達に思い出を見せられるまで、迷わず仕事に向かっていた自分が許せない!

「余裕がない自分を言い訳に、全てを忘れそうになっていたんだ・・・。
僕は・・・。」

「僕は、ヒカリと約束したんだ!」

足を止め、方向転換しようと思ったそのとき、目の前の景色が白く光り、僕は思わず目を閉じてしまう。


「うぅ・・・。」

「ここは・・・。」

僕はまた走り出した。まっすぐ、はやく、はやく。

見つけた!!!





「ヒカリ!!・・・。ごめん、遅くなった・・・。」

「あ〜、寒かった。」

「・・・。」

「はい!」

渡された缶コーヒーから生温かい熱が伝わる。
ヒカリ、ずっと持っててくれたのかな…。

「んふふ、来てくれてありがとう。」

(終)






石垣は心臓に毛が生えました。
こんなにむずむずする話を書くのは最初で最後です。

次は西木くんです!
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