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「大人の階段」 -28歳OL・矢吹典子-


西木です!リレー小説、最後の回!では早速行きます!


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昔から恋愛ドラマに憧れていた。



運命的な出会いをする二人。初めは意識もしていなかったのに、徐々に惹かれあい、抱きしめあう。そして甘い口づけ…
昔は、大人になったら、社会に出たら、私もそんな経験をごく自然にするんだと思っていた。甘くて素敵な恋愛ができるんだと思ってた。
でも現実は違う。恋愛ドラマの名シーンなんて、実際は起こりゃーしないのよね。


「もう28歳かー…」



ふとそう声に出して、タバコをふかした。最後の一本。
そういやこのタバコも、3年前に付き合ってた彼が吸っていたのを真似して吸ったんだっけ。遅れたタバコデビュー、とか言って楽しかったな。あの頃は。結局浮気で別れたけど。あのアホ。

今までろくな恋愛をしてこなかった。高校生の時初めて付き合った彼氏には、3時間で振られた。大学生の時付き合ったサークルの先輩は、サークルの女子みんなと付き合ってるようなやつだった。社会人になって、初めて付き合った同じ部署の先輩は、会社の経費を盗み、クビになってどこかへ消えた。そんで3年前付き合った人には浮気された。しかもそいつ4股だった。




「タバコ…買いに行こう。」



無意識にそんな独り言をつぶやいた私は、中野にある家賃7万5千円のアパートを出た。

丸井の近くにあるアパートから、ちょっとタバコを買いに出てきただけだったのに、なんだか少し街を歩きたくなってそのまま駅の方に向かった。

今日は12月19日。あと5日もすればクリスマスイブ。このままだと今年も一人でクリスマスを過ごすことになるのかな。
いや、それだけは避けたい。どーしても避けたい。一昨年は家で一人明石家サンタを見ていた。去年は一人で恵比寿ガーデンプレイスのイルミネーションを見に行った。どっちも死ぬほど寂しかった。

いやだ。もうあんな寂しい思いはしたくない。
あと5日。あと5日で彼氏を作る。作ってみせる。絶対作る!!



そんなことを考えながら歩いていると、ふと目の前に行列が見えた。あれは何の行列だろう。
近くまで行ってみても、とにかく行列が長く先頭が見えない。
何だか気になった私は、すぐ近くでその列に並んでいた髭の生えた男に、聞いてみた。


「あの、これって何の行列なんですかね?」

『………』



すごく怪訝な顔をされた。そんで無視された。
え、なんだこの人。もっかい聞いてみよ。



「これって何の行列なんですかね?」

『…”大人の階段”さ。”大人の階段”。』

「……は?」

『君は誰だい。』

「え…いや、ちょっと何の列か気になって聞いた、ただの通りすがりです。」

『そうじゃなくて、名前とか職業とか答えろよ。』



…なんだこいつ。



「…矢吹典子。広告会社に勤めてる、28歳です。」

『ふーん。』

「……」

『…なるほどな。いいか。ちゃんとお前が身分を証明したから教えてやる。一回しか言わないから、よく聞けよ。”大人の階段”には夢がある。とにかく夢があるんだ。

「…へ?」


私は、何を言われたか全くわからなかった。
そしてその人はそれ以降黙ってしまった。




「あの…”大人の階段”って何ですか?」

『………』



え、まじか。目線も合わせようとしない。
しょうがないから、私はもう少し行列の先を歩いてみることにした。


「私…何やってるんだろ。」

そんな風に思ったが、気になってしまったものは仕方がない。”大人の階段”とやらの、正体を暴いてやる。






その後、約15分は歩いただろうか。
どんなに歩いていっても列は全く先が見えない。
なんだこれ。だんだんイライラしてきた。あーあ。こんなことなら家にでもいればよかったかな。
でも家にいたらいたで、寂しいからな。あーあ。彼氏が欲しい。本当にあと5日間でできるのかな。いや、現実的に考えて無理か。



その時、後ろの方から懐かしい声が聞こえた。

『お、お前…こんなところで何してんだ?』

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この先の展開が全くと言っていいほど僕にも分かりません笑
恋愛モノか、ファンタジーか、はたまた世にも奇妙系か。この話が今後どのように料理されていくのかが楽しみです^^
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